HOME > アスコルビン酸製剤について

アスコルビン酸製剤について

臨床データ(皮膚の測定)を始めて早い段階で分かってきたことは炎症起因物質と接触をしない生活習慣に切り替えると、

・ニキビ・毛穴の開き・酒さ・赤み・毛孔性角化症
・しわ・カサつき・乾燥
・肌荒れ・アトピー性皮膚炎・痒み

の改善は顕著に見られるが

・シミ・くすみ・肝斑・黒ずみ

の改善には時間がかかることです。

生化学に影響を与えるもので安全性の高いもの。直ぐに閃くものはアスコルビン酸です。

■ビタミンについて

人体の機能を正常に保つためのビタミンは「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」に分けられます。

〇水溶性ビタミン

水に溶けやすい性質のビタミンです。ビタミンB群とビタミンCがあります。
水溶性ビタミンは過剰に摂っても体内では蓄積されずに排泄されます。

〇脂溶性ビタミン

油脂やアルコールに溶ける性質のビタミンです。
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあります。
過剰に摂取すると肝臓や脂肪細胞に蓄積され、頭痛や吐き気などを引き起こすことがあります。

☆参考サイト ビタミン - e-ヘルスネット - 厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html

■アスコルビン酸の特徴

アスコルビン酸には以下の作用があると一般的には言われています。

生体内作用

  • ◎抗酸化作用
  • ◎コラーゲンの形成
  • ◎血中コレステロールを下げる
  • ◎鉄分の吸収促進
  • ◎発がん物質ニトロソアミンの生成を抑制
  • ◎免疫力の増強(ウィルスや細菌に対する抵抗力を高める、風邪や感染症を予防する)
  • ◎ストレスを和らげる

皮膚に対する作用

  • ◎コラーゲンを生成し、皮膚の弾力性を保つことにより、たるみやシワを予防・改善します。
  • ◎紫外線により作られるメラニンの生成を抑制しながら、沈着したメラニンを還元し、白色メラニンにします。これにより、シミを予防・改善します。
  • ◎過剰な皮脂分泌を抑制します。
  • ◎過酸化脂質の生成を抑え、生成された過酸化脂質を還元し、基底層の細胞を活性化します。
  • ◎角質層のNMF(天然保湿因子)バランスを正常にし、皮膚にうるおいを持たせます。

実験系として経口大量摂取は非現実的です。
多くは副腎や 脳下垂体などの組織に取り込まれ、吸収されなかったものは尿や便として排泄されます。
他の臓器に使用され皮膚には配分されにくいのです。

アスコルビン酸製剤は各種入手可能なので塗布実験から行いました。

■新たなアスコルビン酸製剤の開発

各種アスコルビン酸製剤は濃度のコントロールができませんでした。

アスコルビン酸単体で塗布に耐えられ濃度をコントロールできるものを
開発するしか選択肢がなくなりました。

水溶性ビタミンの溶媒は、水、エタノール、多価アルコール。
皮膚生理から水溶液では浸透が期待できず、エタノールはタンパク変性物質です。
残るは多価アルコール。

【多価アルコールの種類】

  • ・エチレングリコール
  • ・ポリエチレングリコール
  • ・プロピレングリコール
  • ・ポリプロピレングリコール
  • ・トリメチロ―ルプロパン
  • ・グリセリン

防腐効果があるものは使えないため、消去法でグリセリンを選択しました。

アスコルビン酸の濃度をコントロールするためにアスコルビン酸の微細結晶を
グリセリンに懸濁させてクリーム状にする技術を採用。クリーム状パック(3分後に洗い流すタイプ)です。

25℃以上で結晶が溶解し活性を取り戻します。アスコルビン酸とグリセリン、ジグリセリンのみで
水を配合しないため防腐剤が必要ありません。

冷蔵保存をして結晶状態のまま活性を保持させ、皮膚に塗布すると体温で溶解して活性を取り戻すことから
活性保持型ビタミンC(Activity Sustained Vitamin C)の略で「ASVC」と命名しました。

すでに一部の病院、医院に提供されています。

■ヒト臨床で経過を観察

濃度を上げながら皮膚の測定を継続しました。

・ニキビ・毛穴の開き・酒さ・赤み・毛孔性角化症
・しわ・カサつき・乾燥
・肌荒れ・アトピー性皮膚炎・痒み
・シミ・くすみ・肝斑・黒ずみ

上記既往症のある皮膚は、アスコルビン酸が30%以上の濃度になると
日常生活で炎症起因物質との接触が残っていると、ピリピリした刺激や赤みが出て(炎症状態)
アスコルビン酸は炎症起因物質になってしまうことが分かりました。

塗布の臨床データによれば、日常生活で炎症起因物質と接触しない生活をすると
濃度30%以上でも刺激や赤みが起きないことが分かりました。

当初のテーマであった、

・シミ・くすみ・肝斑・黒ずみ

の改善を早めるための製剤開発でしたが

・ニキビ・毛穴の開き・酒さ・赤み・毛孔性角化症
・しわ・カサつき・乾燥
・肌荒れ・アトピー性皮膚炎・痒み

の改善にも寄与している臨床報告が集まっています。

ニキビ跡の凹みが平らになったなど興味深い症例が散見されるようになりました。

アスコルビン酸の塗布による対象症状への改善、治癒の可能性を確認するためにも臨床協力をお願いしています。